近年手軽にできる省エネ対策として、住宅用の太陽光発電システムが注目されています。
政府や自治体も温暖化対策の一環として、補助金を整備して太陽光発電の普及をすすめているところですね。
ここでは自宅に太陽光発電システムを設置するといくらかかるのか?
見積もり例や、補助金を活用した費用削減テクニックを見ていきましょう。
見積もり|自宅の屋根に太陽光発電システムを設置するといくら?
太陽光発電システムを自宅に設置するには、どのくらいの費用がかかるのか?
工事の見積もり例を出してみました。
木造2階建て(延床面積33坪)を想定しています。
名称 | 仕様 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|---|
1.仮設工事 | |||||
外部足場 | くさび式 ブラケットー側 残置1ヶ月 材工共 | 108 | 架u | 1,120 | 120,960 |
シート養生 | メッシュシート防炎1類 残置1ヶ月 〃 | 108 | 架u | 540 | 58,320 |
小計 | 179,280 | ||||
2.太陽光発電機器 | |||||
モジュール | 220W 単結晶 材料費 | 18 | 枚 | 54,000 | 972,000 |
架台 | 〃 | 1 | 台 | 78,700 | 78,700 |
パワーコンディショナー | 5.5kW 〃 | 1 | 〃 | 202,000 | 202,000 |
カラーモニター | ベーシック 〃 | 1 | 〃 | 25,000 | 25,000 |
CTセンサーユニット | 電材共 〃 | 1 | 〃 | 29,700 | 29,700 |
リモコンケーブル | 30m 〃 | 1 | 本 | 3,220 | 3,220 |
ケーブル | 30m 〃 | 2 | 組 | 4,090 | 8,180 |
小計 | 1,318,800 | ||||
3.太陽光発電設置 | |||||
モジュール設置工事 | 架台共 手間 | 18 | 枚 | 7,500 | 135,000 |
電気工事 | 電材費含む 〃 | 1 | 式 | 112,000 | |
運搬・荷揚げ費 | 〃 | 1 | 〃 | 45,000 | |
小計 | 292,000 | ||||
4.その他電気工事 | |||||
電力会社申請書類作成 | 1 | 式 | 15,000 | ||
検査立会費 | 1 | 〃 | 25000 | ||
小計 | 40,000 | ||||
合計 | 1,830,080 | ||||
諸経費 | 合計の15% | 274,500 | |||
総計 | 2,104,580 |
※ 公称最大出力3.96kW
約200万円とかなりの費用がかかりますね。
太陽光発電システムの設置費用は、
- 屋根の面積
- 屋根の勾配
といった条件で大幅に異なるので、必ず業者の現地調査を経て見積もりをとるようにしましょう。
太陽光発電システムの設置工事費用は補助金でどれくらい安くなる?
それではこの設置費用を補助金制度を活用して安くできるか?考えてみましょう。
以前は国の制度として全国一律で太陽光発電システムの補助金がありましたが、現在は自治体ごとに制度が異なります。
例えば池田市の例をみると、出力1キロワットあたり2万円(上限10万円)となっています。
前述の見積もり例でみると、6万円の補助を受けられます。
また豊中市の例では、出力1KWあたり1.5万円(上限6万円)となっているので、見積もり例では4.5万円の補助額となります。
大阪府内の市町村でみると、概ね5〜10万円程度の範囲で補助を受けられますね。
省エネだけじゃない?太陽光発電システムのメリットBEST4
高額な費用をかけて太陽光発電システムを設置するメリットはなにか?ピックアップしてみました。
メリットその1:自家消費で電気代が安くなる
太陽光発電の基本は、自宅で使う電気を作る自家消費です。
例えば年間の電気消費量が5,000kWh、太陽光発電の出力を3kWとします。
3kWの年間発電量は約3,000kWh。
したがって電気消費量の6割を太陽光発電でまかなえるという計算になります。
実際には天候や設置条件によって発電量は上下しますが、かなりの電気代節約になりますね。
メリットその2:発電した電気を売れる
-制度の概要|固定価格買取制度|なっとく!再生可能エネルギーより引用-
太陽光発電で電力会社に電気を売る固定価格買取制度については、知っている人も多いでしょう。
発電した電気を一定額で買い取ってもらうことで、よりお得に運用できるという制度です。
ただこの固定価格買取制度は設置から10年間という期限付きで、しかも買取価格は年々下がってきているのが現状。
この買取制度については、あまり過大な期待をしないほうが良いかもしれません。
メリットその3:災害時でも自律運転で電気を使える
ここ数年は、台風や地震などの災害が目立ちますよね。
災害時には命を守ることは無論ですが、電気や水道といったインフラを守ることが大事です。
もし家が無事だったとしても、停電になってしまうと生活に支障がでてしまいますからね。
太陽光発電システムには自律運転という機能がついていて、災害時にも発電した電気をそのまま自家消費できるという仕組みがあります。
さらに蓄電池を設置しておけば、電力をストックして非常時に利用できるというメリットもありますね。
メリットその4:省エネを意識して習慣化できる
太陽光発電システムでは消費したり発電した電気量が、ひと目でわかるようになっています。
したがって自分たちがどれだけ省エネできたのか?が把握できるのですね。
これからSDGsなどで持続可能な社会をつくることが前提になってくると、省エネ意識を高める太陽光発電システムは重要な要素。
子どもたちに省エネ教育する機会としても、とても良いでしょう。
きちんと抑えておきたい|太陽光発電のデメリット
メリットばかりではなく、デメリットもあるのが世の中の常ですね。
太陽光発電についても同様です。
以下のデメリットを把握しておきましょう。
デメリットその1:設置費用が高い
補助金などが使えるとはいえ、設置費用で100万円以上の出費があるのは痛いですね。
初期費用を抑えるコツとしては、リフォームローンを活用するという方法もあります。
太陽光発電システム設置のためのローンは、金利も低く抑えられているケースも。
上手に利用したいですね。
デメリットその2:メンテナンスに費用がかかる
太陽光発電はメンテナンスフリーとうたっている悪徳業者もいますが、それは間違いです。
モジュールの交換や架台の修理、パワーコンディショナーの交換などで一定のメンテナンス費用が必ず発生します。
売電で得た利益を積み立てておくなど、将来の出費に対する備えをしておきましょう。
デメリットその3:立地条件によって発電効率が変わる
どんな条件でも発電効率が変わらなければ良いのですが、残念ながら違います。
家の立地条件などによって、大幅に変わることがあります。
特に屋根の向きや形状は、発電量や発電効率を左右する大きな要素ですね。
事前にシミュレーションをしておき、投資額に見合わないと判断すれば設置をあきらめるという選択肢も必要ですよ。